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エロ漫画家さんと貧乏姉妹 レビュー

エロ漫画家さんと貧乏姉妹 77

皆様お久しぶりです。10ヶ月ぶりのレビューです。……いやだってその間イチャラブゲーの新作やってないし仕方ないよね? 今月末に「銀色、遥か」がでるので、それのレビューは書けると思います……多分。……ではレビューを。

本作はエロテキストやCGの質が高く、ヒロインのキャラも立っているため、地味だが堅実に地力が高い和姦系抜きゲーだ。突き抜けたコンセプトやエロシチュはないが、ミドルプライスということで買いやすく、しかもDMMでDL半額だったのでとても満足できた。残念ながら記事作成時点でセールは終わってしまっているが、また半額になると思うのでそのときには購入を検討してみてほしい。

このゲームの最もユニークな点はライトな売春設定だろう。姉のほうのヒロインは家賃(2万円)を体で払うために主人公とHするし、妹のほうはそれを知ってお姉ちゃんばかりに酷いことさせられないと、やはり主人公と5000円でHすることになる。しかし主人公が童貞ヘタレな良いやつで、ヒロインがある程度主人公に好意を持っていることもあって、売春というほどの深刻さは感じられない。また、結局3回くらいHした後はヒロインはもう主人公に半分惚れている上に、Hの流れもちょっと親切にされたからお礼にといったかなり軽いものになっていて、「これでは普通の和姦抜きゲーの恋愛エッチと変わらないな」と1週目が終わったあたりでは思っていた。
しかしレビューを書くためによく考えて見れば、このライト売春設定は本作になくてはならないものであったと気づいた。僕の持論として、和姦系抜きゲーのエロさの基本はヒロインの淫乱さであるというのがある。そのためにヒロインが過剰に感じたり、特殊性癖持ちだったりするのだが、本作の売春設定もヒロインの淫乱さというか一種のビッチさをうまく演出している。もちろんヒロインが売春するのは主人公にだけなので相手を選んでいるし、貧乏というそれなりの理由もあるので、本当にビッチなわけではない。わけではないが、例えば最初のHからヒロインが感じまくっているというエロゲではおなじみの光景も、ライト売春というシチュの上ではヒロインの味わい深い淫乱さを感じられて、いわゆるメチャシコである。

ヒロイン毎に見ていくと、まず姉のほうは最初からかなり感じまくってるのがエロいのはもう書いた。ヒロインが卑屈で(親に捨てられて高卒無職では仕方ない)、私の体なんかでいいのでしょうかとか言ってくるのも定番ながら可愛くていいと思う。こうやって売春シチュでキャラを立てていくのもいいね。最初のHの後にはヒロインのバイトが見つかって、とりあえず金の心配はなくなるのだが、
「いつでもしていいって約束しましたから」
「私のからだは真守さんのものですから」
さらに2回めのHの後追加で金を渡そうとしても
「実は私も……気持ちよくて……よかったかなって、思ったりして」
とか言ってもう天使さとビッチさをあわせもって最強ですね。その後のHもちょっと助けられたからお礼にとか、主人公がエロマンガのことで悩んでいたら、「私が実際にやります」とかそういう流れでHしていくことになる。そこで主人公は変態紳士なので、主人公のほうからはHを頼まず、必ずヒロインの方から誘ってくるのが素晴らしいのだ。
ヒロインは明らかに主人公に好意を持っており、半分は自分がしたいからHを誘っているみたいなところがあるから、売春関係は形骸化しているようでもあるのだが、その形骸化した売春設定から、主人公を誘うヒロインの淫乱さとか天使さとかビッチさが表現できているのはおもしろいと思った。
こういう関係が好きなのか本作は両ヒロインとも個別ルートでは恋人になるものの、個別はあっさり終わってしまって、ボリュームのほとんどは共通の売春関係に割かれているのも思い切った構成だと評価したい。

妹のほうは姉とまた違った味付けがされている。最初のHは姉ばかりに辛い思いはさせられないから自分もという展開で、まあ普通である。しかし2回目のH以降その小悪魔っぷりを発揮し出して、
「あたしのパンツがみたいならぁ、お金ちょうだい?」
「あんたの大好きな女の子のパンツがたった2000円で見られるのよ?」
と誘惑してきて、同じヒロインにHを誘われるというシチュでもまた違ったエロさがある。妹のほうは姉ほど天使じゃないので、H毎にきっちりお金を要求してくるのもいいなあ。こっちはある程度ちゃんと売春してる。
3回目のHのシーンではあろうことかヒロインを眠姦し出す主人公だったが、実は起きていて、
「止められたら、せっかくの稼ぐチャンスも失っちゃうじゃない? だから黙ってたの♪」
そして2回戦も追加料金なしでさせてくれる。やっぱり天使だな。この後はヒロインのほうからお金のためとか自分がしたいからという理由で、Hを誘ってくるみたいなシチュがけっこうあってエロかった。姉のほうはHな流れになったら誘ってくる感じだったが、妹のほうはHな流れ自体を作りにくるようなところがあるのも差別化されていてよかったね。

シーンのエロテキストも優れていると思う。Hの尺はやや長めのちょうどよいくらいだし、書き手があのすまっしゅぱんださんだから安心だ。すまぱんといえば僕は「プリズムセイバー」を思い出すが、ヒロインがけっこう激しく感じてくれるのはまさにそんな感じだった。声優も一部被ってるし。ヒマリさんの「あ゛ぁー」って喘ぎ好きです。なんだかんだで、設定とか関係なしにテキストレベルだけでもヒロインの淫乱さをちゃんと表現できてるのは偉い。終盤にちゃんと種付けとか孕ませ云々のセリフがあるのも素晴らしい。

まとめると、両ヒロインルートとも基本設定を生かしてヒロインの魅力とエロさを表現した良作であり、普通の和姦抜きゲーも設定やシナリオ次第でエロくできるということを教えてくれる作品でした。
作品の欠点も書いておくと、宣伝文句のわりにマニアックなシチュが少なく、抜きゲーなら普通にあるHばかりで構成されているのはやや問題かと思った。まあその普通のHの見せ方がうまいんだけど。
その中でも好きなマニアックシチュもあって、幼女に偶然Hを見られ、「何してるのー?」と聞かれて、答えながらHするシチュが好きです。こういう他の女に見せつけながらHするシチュがもっと増えてほしい(男に見せつけるのは独占的にNG)。最大の欠点は姉妹丼の欠如、いやあるにはあるんだけど、サブのロリババアも交じる上にハーレムH自体4CGの1シーンしかないんだよね。ロリババアのシーン全部削って姉妹丼を増やすべきだったと思う。あ、書くの忘れてたけどロリババアのシナリオは全部スキップしたので内容は知りません。他の人の感想見るとヤバそうです。
欠点で終わるのは後味が悪いが書くこともなくなったのでレビューは終わりです。同ブランドのおさこいもレビューはしないがなかなかの良作なのでそっちも買ってみるといいかもしれない。あっちはどちらかといえばエロより日常やイチャラブが面白い作品だった。

恋愛フェイズ レビュー

恋愛フェイズ 70 ~イチャラブもある抜きゲーとしてなら……~

半年間放置してごめんなさい……。ブログのデザイン変えてみました。

なんというか、「イチャラブってのが流行ってるから、俺らも作ってみるぜー」みたいなノリで作ったら、微妙なものが出来てしまった。そんな印象を受ける作品だ。ルート間の出来の差が激しく、100点満点でいうと、
霞   65
ゆき  75
鈴羽  45
こころ 30  
こんな感じか。下の2キャラ目当てに買うことはおすすめできないが、僕は上の2ルートはそれなりに楽しめたので、主要なイチャラブゲーを全てやってしまったとか、声優や原画の信者の人ならまあ買ってみてもいいんじゃないかと思う。Hシーンは多いので、イチャラブもある抜きゲーという感覚で買うのがいいだろう。

ルート間の出来の差が激しいのでひとつずついこうか。まずこころルート。共通ルートが終わった瞬間に即告白、即H、その後Hしまくって終了。そんなシナリオです。はい。ご丁寧に中盤からシリアスの伏線まで入れてくれるのは涙が出るほど嬉しいね。いちおうイチャラブっぽいイベントもないではないのだが、それがすぐにHに繋がってしまうのも最高だね。例えばこころルートの序盤はどんな感じだったか。初Hの翌日、学校から帰ってこころの部屋に。イチャラブか……と期待していると、じゃれあいの末こころが噛み付いてきて、可愛いなーと思っていると、主人公が「こんなにくっついていると昨日のことを思い出す」とかなんとかで即H。その翌日、デートに行くことになってとりあえず商店街をぶらぶら。どこに行くのかなーと思ってると、ちょっとじゃれあった後の主人公の独白がこちら


ほんのり頬を赤らめた横顔を見ていると胸の奥から温かい気持ちが膨らんでくる。
俺やっぱりこころのこと好きなんだな……・
この気持ちを忘れたことなんてないのに改めてそう思ってしまった。
その気持ちが触れ合う手の温もりと混じってムラムラとした熱いモノへと変わっていく。

それからいきなり外Hですわ。なにこれ。3行目と4行目の間にいったい何があったんだよ。
何があったんだよーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
この構成はイチャラブゲーというよりはむしろ出来の悪い抜きゲーに近い。

鈴羽ルートも、こころより若干非エロイベントが多い気もするが、まあたいして変わらない抜きゲー構成ですわ。シナリオの内容も、主人公が「いつまでもすず姉に甘えてちゃだめだ」と序盤にすず姉にプレゼントを渡す決意をするのだが、終盤までプレゼントの内容が決められずにずるずる悩み続け、やっとプレゼントが渡せてエンディングという……非常に前衛的なプロットになっている。

この2ルートは、もはやイチャラブシナリオを書こうという意志すら感じられないクソである。まあこうなった原因はHシーンの数が多すぎることもあるだろう。本作は一人あたり10以上もシーンがあり、それを本編に全部入れるとHしてるだけのシナリオという印象になってしまうのである。

霞ルートは、これもほとんどのイベントのオチがHに繋がっている抜きゲー構成ではある。……が、ここは逆に考えるんだ。イチャラブもある抜きゲーだと考えるんだ。そう考えると、このシナリオは最初に引用したような酷いイチャラブカットはあまり無く、こころルートよりもイチャラブの量が多いこともあってなかなか楽しめるシナリオだと言えるのではないだろうか。まずこのシナリオにはちゃんと恋人感が出ている。付き合うまでの過程も共通含めてわりとちゃんとしているし、付き合った後もヒロイン視点描写等を使ってヒロインの心情をちゃんと表現できている。そのおかげで抜きゲーとしてはなかなかのイチャラブでニヤニヤ出来る。鈴羽ルートのゴミとは違ってちゃんとした物語性もあって、ツンデレでいつも主人公に憎まれ口を叩いている霞がだんだん素直になっていって、最後には自分が一度も主人公に「好き」と言っていないことに気づいて、それを伝えて本当の恋人になれました、という感動(?)のシナリオである。これは抜きゲーのシナリオとしては良く出来ていて、主人公にツンツンしている霞ちゃんをHで攻めて、Hの間だけは素直になっちゃうのがエロくてたまらん。もちろんこれがイチャラブゲーだったら、最後に素直になるとかいうシナリオはダメで、物語の中盤で素直になって、ツンツンしているイチャラブと、素直になったイチャラブの一粒で二度おいしいシナリオを目指すべきだと思うが、あくまでこれは抜きゲーなので……(現実逃避)。

最後のゆきルートもイチャラブもある良く出来た抜きゲーだと思えばいいんじゃなかろうか。萌えゲーとしても5年前ならイチャラブ良作として十分認められたレベルではある。付き合うまでの過程は短いがしっかりしていて(当社比)、告白からのゆきの嬉しそうな様子とか、恋人になってからのやりとりもよく書けている。ゆきはなんというか普通っぽい女の子なんだけど、なんというか正統派に嫁って感じがするヒロインなんだよ。付き合う前から距離の詰め方が近い感じだったけど、付き合った後は距離の近い気安さと、主人公が何をしても許してくれそうな優しさがたまらない。ゆきとのたわいもないやりとりでゆきが喜んだり、笑ったり、拗ねたり、あああああ可愛いよおおおおおおお。なんというか自然体で会話してる感じが霞と対照的で素晴らしい。Hに関しても積極的に色々してくれるところが抜きゲーシナリオとして良いよね。萌えゲーのヒロインってHになると人格変わる人多くありません?まあそれが霞ルートみたいにうまく作用することもあるんだけど、ゆきルートは日常の関係性のままHするのがいいね。例えばパイズリシーンでは
「今日は、その、任せてくれないかな」
「えとね……その……わたしがあなたのこと…気持ちよくしてあげたいから…」
「ねね、こういうのは、どう?」
「我慢なんてしないでいいよ?気持ちよかったら、いっぱい気持ちよくなってほしいな?」
あああゆきエロいよおおお。これはHシーンでもイチャラブ感が出ているということでもあるんだよね。(詳しくは後述)
ここまで書いているとなんかゆきルートは現代基準でも良作だったんじゃないかという気がしてきた。このシナリオの欠点の方も書いておくと、まず今までの欠点を引き継いだ、エロばっかの構成だ。霞ルートもそうだが、ほとんどの日常シーンのオチがエロで終わるため、先が読めたり、「またエロだよ……」とうんざりしたり、まああまり良い構成ではない。ただイチャラブの量自体は他のルートと比べて体感で多いような気はする。もうひとつの欠点はこのシナリオの物語性の無さである。ただイチャラブしてHするシナリオが続いて、どう終わらせるのかと思っていたら、最後のHシーンの後にいきなり感動風のBGMが流れて、「ずっと一緒にいようね」とか言い出してスタッフロール。なにこの打ち切りEND、俺たちのイチャラブはこれからだ!……その後エピローグでプロポーズ&ゆき妊娠。……うん。とりあえず妊娠は要らなかったね。正直学生が妊娠しても微妙な気分になるだけですわ。とりあえずイチャラブシナリオをどう終わらせればいいかわからなかったんだろうなあとは思った。
このような物語性の薄さもあって、なんというか主人公とゆきのイチャラブが表層的なものに見えるようなところはある。こころなしか日常シーンの中にも、ゆきと主人公の心が本当に通じあってはいないことを暗示するようなシーンがけっこうあった気がする。ゆきが「わたしが何考えてるかわかる?」と聞いて答えられないシーンとかね。その点霞シナリオはヒロイン視点描写を使ったり、最後に好きっていって本当の恋人になるみたいなギミックを使って、霞の思いの深さを表現していたと思う。もちろん最後に本当の恋人になるみたいなシナリオは、じゃあそれまでのイチャラブはなんなのよということになるから、中盤にやって欲しかったんだけど。

まとめると
こころ 出来の悪い抜きゲ 
鈴羽  上に同じ
霞   イチャラブゲーとしてはダメだが、抜きゲーとしてならなかなか
ゆき  イチャラブゲーと考えてもそこそこ良い

総評としては、こんなゴミ(こころルート)が交じるなんて品質管理がなってない、戯画さんの製品を今後買う気にはならないなー、という個人的な感想はともかくとして、霞ルートとゆきルートはなかなかイチャラブやエロを楽しめるシナリオだった。エロが多いのが好きなら買ってもいいんじゃないかなあ。僕としては不満こそ多いものの、良い方の2ルートが終わった後は良い気分になれたし、まあギガマインではなかった。ただ全体的にシナリオのボリュームが定価にしては少ない気がする。イチャラブとしては序盤から付き合い始めて、変なシナリオ要素が入ってない分そんなに気にならないが、こころ、鈴羽ルートはエロをスキップすると1時間で終わるくらいので注意。

エロ
このゲーム、イチャラブゲーとしてはいろいろダメだが、イチャラブエロのある萌え抜きゲーとしてはそこそこいいんじゃないかと思う。イチャラブエロとは何かという話をする前に、まず萌え抜きゲーはヒロインが可愛く描かなければならないという前提を共有したいのですが、よろしいでしょうか? よろしいよね? だからHシーンを連打するだけのこころ、鈴羽ルートは萌え抜きゲーとしても出来の悪いということをわかっていただけるよね。だから両ルートのHシーンの内容についてはここでは語らなくていいよね。決してめんどくさいとかそういう理由じゃなくてね。こころルートのエロは全体的に尺も短くて微妙だとは思った。
イチャラブエロというのは、なんというか主人公とヒロインの関係性ややりとりでエロくしていくHシーンのことで、ぶっちゃけ今適当に考えた造語です。要はヒロインの日常のキャラクター性に嵌ったエロを書いてほしいということです。
具体的にゆきのHシーンを見ていくと、まず序盤から積極的にこちらを攻めてくるのがいい。先に引用したパイズリシーンような、日常での恋人としての距離感を維持したまま攻めてくるシーンがたまらない。初めて入ったラブホに入るシーンでも、場所に気後れすることなく、むしろ積極的に主人公を攻めてくるのがエロいよおお。
「もうかっちかちになってるよ? わたしの中に早く入れたいって言ってるのかな?」
「そうだよね、わざわざホテルに近い場所を選ぶくらいだもんね」(主人公がデートでディナーに選んだ店のこと)
「せっかくのクリスマス・イブなのに、もうちょっとムードがあってもよかったんじゃないかな?」
「ふふっ、でもね、わたしも…したかったから、別に怒ってるわけじゃないよ」
「でもー…ちょっと意地悪しちゃおうかな?」
「中に入りたがってるあなたのおちんちんを……入れてあげないっ」
このあと素股攻めをしてくるんだけど、このイチャイチャ感エロくないっすか?ムードがない主人公にちょっとふくれて、かわいくてエロいいじわるをしてくるの最高ですわ。あとゆきが主人公を攻めたり奉仕してるときっていつも笑顔だったり「ふふっ」とか笑ってたりとっても楽しそうなんだよね。ゆきは天使。もちろん受けに回ってもエロいし、Hのとき「大好き」とか「好きぃ」っていうの良いよね。
あとは霞のHシーンもエロいね。ツンツンしてる彼女を「イッちゃいましゅうう」とか言わせるのがエロい。霞が乱れてしまうのは主人公のことが大好きだからということが、日常シーンやエロの中でうまく伝わってくるし、そういう意味でただ霞を攻めているだけのエロではなく、これもイチャラブエロとしてエロいと言っていいだろう。
全体的には前戯系のエロが充実しているのが嬉しい。ゆきはフェラやパイズリが多いし、霞はローターで公園を歩くような特殊シチュもあってエロの多さを生かしてはいる。
欠点としては、まず全体的にエロの尺が短めなこと。まあ短すぎて抜けないということはないし、一射精を複数のシーンで抜いてくれという意図なのだろう。嫌になるほどHシーンが来るのが欠点になるくらいだからね……。霞に関しては何故かエロの尺が短くないので、露骨にライターの差を感じる。(というかゆきルートは文体も主人公もあからさまに別だったりするのだが)
そして最大の欠点が……まあ他のレビューでも散々槍玉に挙げられるだろう糞演出ね。ズームしたり、無駄にエフェクトをかけたり……まあ僕はアルカナEREやオトメスイッチで糞演出には慣れていたのでそんなに気にならなかった。

結論
ゆきは可愛くてエロい。

雑談
恋愛フェイズっていうコンセプトにレビューで一切触れなかったけど……これはあんまり感じられなかったなあ。もうちょっとヒロインの変化を強調するシナリオを書いたほうがよかったんじゃないかと。こころの恋愛フェイズとかもはや詐欺なんだけど、まあこころルート自体が詐欺ですし。
なんていうか非常に残念なゲームだよなあ。原画も良い、塗りも良い、日常パートでの細かい演出も頑張ってる、システムも良い。そんな多くの長所を持ちながら、エロの糞演出とか、一部ルートの糞さとか、過剰なエロシーン数のぶちこみとか、明らかな欠点で作品を汚しちゃってるところがなあ。そこらへんのスタッフの個人個人はいい仕事をしながら、それを作品にまとめるとダメになってしまうっていうセンスの無さが戯画なのかなあと思いました。

本作の特典のひとつに応援ボイスってのがあるんだけどこれ、オナサポ音声(女の子が聞き手のオナニーを指示したり、エロいことをいって興奮させてオナニーを手伝ってくれる音声のこと。同人音声界で根強い人気を誇る)なのよね。ヒロインひとりあたり10分くらいしかないのが寂しいんだけど、こういうのもっと流行ってほしいです。
とりあえずゆきのだけ聞いてみました。長さは11分。最初にゆっくりしごかせたり、ソフトな言葉責めがけっこうあったり、最後はカウントダウンで射精するなど、わりと堅実な作り。地味にシチュが CFNMだし。ただ、7分あたりで1回目の射精をしたあと、またオナニーさせて2回目の射精が来る前にフェードアウトして終わるという構成は謎。まあ連続射精とか無理ですし別に問題ないかなと。サウンドモードでしか聞けないのは残念。IPODに入れたい。
エロゲヒロインにオナニーを指示されたいなら本作を買うしか無い? 初回特典ではあるが、新品のダウンロードシリアルが無いと手に入らないので注意。

サノバウィッチ レビュー ~イチャラブ的視点で見る~

サノバウィッチ レビュー ~イチャラブ的視点で見る~ 75点

 人気作品である本作を、僕が普通にレビューしても埋もれるだけでしょう。今回は「イチャラブ」一点に特化したレビューをお送りしたいと思います。先に結論からいうと、めぐるルートはイチャラブ特化作品並のイチャラブ傑作、特に後輩キャラ好きは是非買うべし。寧々ルートも僕は嫌いだけど人によってはいいと思います。他のルートには期待しない方がいいでしょう。なお僕はめぐるを攻略した時点で、他ヒロインを攻略する気がおきなくなったのでおまけ的立ち位置の和奏ルートはやっていません。それではレビューをどうぞ。

本文

 さて、まず「イチャラブ」とは何かということを書いておかなかればならないだろう。イチャラブという言葉の意味は使う人によって千差万別で、各人が自分のイチャラブというものを持っているだろう。僕にとってのイチャラブを説明することは難しいが、要は主人公とヒロインに感情移入してイチャイチャを一緒に楽しむことで、主人公とヒロインの恥ずかしさやら幸せやらといった感情を体験することに楽しみを見出しているのだと思う。いや自分の心の仕組みなんてよく分からないのでただの予想ではあるが、この仮説からどんなイチャラブシナリオが良いかをなんとなく言うことはできる。つまり主人公とヒロインに感情移入するために恋愛の過程を丁寧に描き、付き合った後は感情を強くストレートに表現してプレイヤーを悶えさせるようなシナリオが良いと思うのである。
 
 そこを理解してもらったところで、本作を語る上で重要な問題「イチャラブとシリアスの関係」について考えてみよう。イチャラブ派ゲーマーの中にはシリアスがあるだけでクソシナリオだという人もいる。僕はそうは思わないが、シリアス展開がイチャラブを台無しにするようなシナリオもままあるのは事実である。大事なのはシリアス展開がイチャラブの邪魔をしているか、それともイチャラブを増幅しているかではないだろうか。そして本作のシナリオも重いシリアスがあり、泣きゲー3原則(死ぬ、消える、忘れる)のような展開もある。それがイチャラブとどんな関係を結んでいたかって?……めぐる以外酷かった。(詳細はネタバレ感想で)
 
 では以上の理論武装を終えたところで個別のルートの出来を語っていこう。まず、程度の差はあるが、どのルートにもイチャイチャしているシーンが一定量含まれている。(作品全体の方針としてイチャラブを入れようとしたのだろうか)。それ自体はイチャラブゲーマーとして喜ばしいことではあるのだが、イチャイチャするシーンがあるからといってそれをイチャラブ的に楽しめるとは限らない。本作をイチャラブゲーだと言っている人がけっこういるが、僕にはめぐるルート以外をそう呼ぶことは到底出来ない。
 
 まず悪いルートから説明すると、紬ルートと先輩ルートはイチャラブゲーマーに喧嘩を売っているも同然の内容であった。確かにイチャイチャしてるシーンはある。問題はそこからのシリアスへの入り方で、ネタバレ故詳しくは説明できないが、イチャイチャしたシーンの後で、突然実はヒロインはイチャイチャしている間も◯◯で苦しんでいたといった事実が明かされるのだ。こっちはイチャイチャで幸せだったのになんだよコレ。僕は精神にダメージを負った。イチャラブの量自体もそれほど多くはないので、こういうのが許せない人はやらない方が幸せだと思う。別にシリアスを入れるなという訳ではないが、こういうイチャイチャを否定するようなシリアスは本当にやめて欲しい。
 
 寧々ルートはまあ評判がいいのも分かる。シリアスが勃発するまでは凄いシナリオだと思っていた。恋愛の過程が上手く、序盤からニヤニヤしっぱなしで、ヒロインの感情が伝わってきて、シリアスが収まった後にもイチャラブがあるのでイチャ量も多い。最初に書いた条件を満たした良いシナリオじゃないかと思うだろうが、僕はシナリオのある特殊なギミックに耐えられず、シリアス展開で主人公に対する感情移入を完全に破壊されてしまった。おかげでそれ以降少しも楽しめないばかりか、プレイするのが苦痛だった。とはいえ、あるギミックが気にならない人なら本ルートは良イチャラブといっていいと思われる。
 
 そしてめぐるルートである。噂ではかのイチャラブ神、保住圭が書いたらしいが、まさしくイチャラブシナリオの傑作である。まず、シリアス展開が中盤で終わり、そのあとはひたすらイチャイチャしているだけだから、他ルートのような惨状にはならない。また、もちろんイチャラブを否定するようなシリアスもない。それどころか本作のシナリオはむしろイチャイチャを強化するために作られているように思える。
 
 めぐるルートのシナリオをネタバレにならない範囲で説明すると、 
1、他人の感情を感じる力を持ったが故に人と深く関われない主人公と、過去のトラウマで人との関わりに臆病になっためぐるがなんだかんだで仲良くなる。(共通)
2、めぐるは主人公を同志と捉え、自分のトラウマを打ち明ける。
3、主人公がトラウマをなんやかんやする。
4、くっつく
5、ひたすらイチャイチャする

なんかすっごいクソシナリオに見える要約だが、ネタバレと説明の都合上こうなっただけで、実際はもっと複雑なシナリオなのでそこは誤解しないで欲しい。

 まず本作は最初に言ったような良いイチャラブシナリオの条件を全て満たしている。付き合うまでの過程は丁寧でニヤニヤでき、それ故に登場人物に感情移入できて、シナリオに余計なものは入らず(シリアスはめぐるのトラウマであるから、余計とは言えない)、シリアスに邪魔されず、付き合った後のイチャラブも安心の保住クオリティである。キャラクタ-としても気安くくっついてきたり、主人公のエロ発言に「うわセンパイサイテー」と言いながらなんだかんだで懐いていたり後輩キャラの王道を行っていて可愛い。
 
 特に素晴らしいのはやはり付き合った後だ。人懐っこい後輩だっためぐるが実は乙女で、あ~んすら恥ずかしくて出来なかったり、主人公の能力によるデリカシーの無さに怒って
「バカ、エロ、このマジトーヘンボクセンパイ!」
と顔を真っ赤にしながら怒るのがたいへん可愛い。更に凄いのがある程度そんなイチャラブを経た後の展開で、
主人公(能力でめぐるの感情を読むことに引け目を感じてきた(´・ω・`))
めぐる(先輩きっと能力のことで引け目感じてる)

主人公「そうだ思っていることを全てめぐるに言えば公平じゃん!」
めぐる「思ってること全部隠さないでいうから、ノーガードで殴り合おうぜ」
(※この解釈は僕の誇張と曲解を含みます)
こ の 発 想 は な か っ た。このライターは天才ですか。確かに感情をストレートに表現するイチャラブゲーが良いとは最初に書いたのだが。

 これ以降めぐるは自分の気持ちを常に口に出す用になる。イチャラブゲーの必殺技いわゆる2段デレである。こんな展開から始まるイチャラブ地獄
「くっつくのが一番、好きって気持ちを伝えられる気がするんですよね」
「ほら、センパイ、わかります?、えいえい、センパイ、センパイっ♪」
「センパイ、センパイっ、今日も大好きですよー♪」
そう、このシナリオのテーマ(コミュニュケーション)や設定、めぐるの深く付き合える相手が欲しいという願い、付き合う前のコミュ障同士のもどかしいやりとり、全てがこのイチャラブのためにあったのである。これぞまさに僕が望む理想のイチャラブシナリオのひとつの形とも言うべき作品だったと思う。

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箱庭ロジック レビュー

箱庭ロジックレビュー 75点
このゲームはまあまあおもしろかったです。ミステリーアドベンチャーとして終始飽きずに読めるゲームでした。ヒロインの秘密、事件の真相といった謎どんどんを出していって、その謎を飽きさせないようにうまく伏線回収していました。ただ、面白く読めはするのですが、何か感動するとか印象に残るような特別盛り上がる場面は無かったですね。

ヒロインは可愛いのですが、個別ルートはどれも短く、恋愛過程やイチャラブはかなり不足していました。それでHシーンを一人4回入れるのだから、いきなり付き合ってHばかりしている印象はありますね。短いシナリオの中でヒロインを可愛く見せるようなうまいシーンは多かったので、もう少し頑張ってほしかったです。

箱庭というだけあって、シナリオはけっこう現実的な感じになっています。盛り上がりが無いシナリオも現実味を持たせた結果であり、多くの人が批判しているラストの盛り上がりの無さもその結果なのだと思います。

総評としては、シナリオは全体的に面白かったものの、ヒロイン一人一人の掘り下げや恋愛が弱く、エロゲっぽくない作品だと思います。現実的なシナリオも人を選ぶかと思います。ただ以下の様な考察長文を書けるくらいには考えさせる作品ではありました。以下の考察が妥当なのかとか(同じようなことを書いている人が殆どいない)、妥当だとしてそれが面白いのかはともかくとして。

……まあこんな感じ。ではこんなつまんないレビューはやめて楽しい考察タイムやろう。以下の考察を書くために以上のレビューを書きました。といっても萌えゲーマーの僕は考察記事とか書くのは初めてなので、あんまり面白いものは書けませんが。あとこじつけ注意。

以下の文章はガチネタバレなので、読むとゲームの楽しみを著しく損ないます。未クリアの方は読まないで下さい。

早速本作のテーマは何か考えてみる。まず、本作冒頭の主人公ボイス付きポエムを思い出して頂きたい。あれを本作のシステムを踏まえて解釈してみよう。まず人生の選択を道に例える。主人公はそれが道であることも確信できず、ただ歩いている。一方でそれを俯瞰しているプレイヤーから見ればその道の分岐は箱庭に見える。といったふうに解釈できそうだ。そう考えると、本作の狙いは主人公とプレイヤーの相違を利用して、箱庭=現実に対する何らかの考えを引き出すことにあるのではないか。ただ、ここで注意しておきたいのは、「箱庭」という言葉は本作ではふたつの意味で捉えられるということだ。(このことは既にErogameScapeでfoglandrainさんが指摘しておられる)一つはプレイヤーが見る選択の分岐の箱庭(フローチャートのこと)であって、これをメタ箱庭と呼ぶことにする。もうひとつは、主人公が住む箱庭都市であり、これを箱庭世界と呼ぶことにする。箱庭世界が現実を意識して作られていることは、ラスボスに対する霧架の決め台詞を見ても明らかである。そしてこのシビアなシナリオと世界観、厳しい現実というものの象徴として現れるのが、箱庭都市の陰謀ではないかと思う。主要人物は誰もが直接的、間接的に事件に関わっており、しかし誰もが事件を止めることができない。誰もが関わっており、誰もが変えたいと思っているが、変えられないもの。そういう象徴として現実が表現されているように思う。そしてそのような陰謀を止めるためには真実を見つけるしかないというのが本作の状況であった。そこで「真実」というものも重要なファクターである。「箱庭の物語」は真実を隠したために悲劇が起こる物語であった。でも主人公ポエム的には一番大事なのはやはり「選択」というテーマであると思う。
以上、「現実」、「真実」、「選択」といったワードが重要だと思いましたまる

もうちょっと具体的に考えてみる。例えば真奈ルートはどうだろうか。このルートは主人公からしてみればイチャイチャしまくりのハッピールートなのだが、プレイヤーから見ると敵側に協力するにようになるので、どこかハッピーエンドとは言えないようなところがある。また他のルートを見ると分かるように、真奈は絵里香の死に間接的に関与しているのである。このようなことを真奈はもちろん知らない。しかし犯罪的なことをしていることには気づいているし、誰かが死んでいるかもしれないことは想像できる。しかし真奈は自身の可哀想な境遇をもって、自分の仕事を仕方がないと正当化しているようなところがある。プレイヤーの方もまあそういう事情があるならと、真奈の行動を否定することはしないだろう。しかし真奈の鍵を使って先に進むと、真奈より更に酷い境遇(愛してくれる家族すらいない)の瑚子が被害にあうのを見ることになる。そうしてみると、鍵というシステムは真実を集めて先に進むためのものではなく、むしろ真実をあえて知らせないで、ルートを終えるまでは主人公と同じ立場にプレイヤーを立たせることで、真実を知った時にルートの内容を再考させるような作りになっているのではないか。(雫ルートにも同じようなことが言えるだろう。もっともこっちは献血をやめることになるのでむしろ良いエンドである。)
今までの話とあまり関係ないが、僕がこのルートで酷いと思ったのは、真奈が母親と同じことを繰り返していることである。
真奈「母親が騙されて詐欺して捕まったから、私は騙されて犯罪に加担して賠償金を稼ぐお^^」
いやいや頭弱すぎでしょう真奈さん。真面目な話、本作の「責任」というテーマに合っていて悪くない設定だと思うけど。(詳しくは後述)それによく考えると他のヒロインも同じようなことをしているのである。例えば過去に新に真実を隠して悲劇を起こし、本編でも新に隠し事をして疑われまくる霧架さん。人形として育てられるのが嫌だったが、学校でも神輿にされてしまう雫さん。まあこういうのはなかなかリアリティが出ていて面白い。人間同じ過ちを何度も繰り返すものだと思う。

次はりるルートに関して。りるは明らかに直接的に事件に関わっているのだが、それでいて何の罪もないことは明らかである。しかし、りる自身はどう感じているだろうか。りるエンドを見れば分かるようにりるは自分に罪と責任を感じている。頭の弱い真奈さんとは大違いである。(注、筆者は真奈が好きです。好きだからいじっているのです)同じように、霧架も直接的には罪を犯していないにも関わらず、先生の自殺に責任を感じている。ここはなかなか面白いところである。霧架が献血の真実を告げるところでの雫へのドSっぷりを思い出してみよう。霧架にしてみれば、例え何も知らなかったとしても、利用されていたとしても、真実を考えようともせずに利用されているのは罪なのである。雫に対してすらこれなんだから、もし頭の弱い(以下略)。

瑚子ルートはなかなか感動的な話なのだが、面白いのは瑚子の鍵を使って先に進むと、実は主人公のしたことって礼さんと同じなのではないか、という疑問が生じるところである。瑚子ルートでは、主人公は真実を知っているのにも関わらず、いたいけなりるにキックして湖子と箱庭都市から逃げ出す。しかもそれが霧架の捜査の妨害となっていて、霧架が事件を止めることはもはや不可能になっただろう。湖子というヒロインは一人だけ事件に関わっておらず、完全な被害者としての立ち位置のキャラクターである。親友は殺され、親に売られ、人格は歪んでそれでもいい子。可愛い。

そして、最後に霧架。真実に辿り着いたところで別に特別なエンドが待っているわけでもなく、悪が滅びるわけでもない。一応事件は終わりこれ以上被害者が出ることはないが、霧架自身は家族が犯罪者という不幸を背負うことになる。

以上から、本作のシナリオは箱庭世界の陰謀(=現実の象徴)に対する各登場人物の関わり方を描いたものだと言えるだろう。本作のメタ箱庭構造が示しているのは、主人公やヒロインがどんな選択をとろうと、それに対して罪や責任を感じていようといまいと、りるや瑚子のような被害者は確かに存在し続け、それを止めるには「真実」を見つけるしかない。しかしその「真実」は他のエンドを否定するような類のものではない。いくら真奈のしていることが間接的に人を殺しているといっても、それで真奈の行動を否定することはできないだろう。結局真奈エンドの方が霧架エンドより幸せそうなのだから。

本作のシナリオは確かに盛り上がりが無く、ルートの短さ故に各ヒロインの掘り下げも足りない。しかしながら、それはある程度作者側の狙いであったと思われる。盛り上がりがないのはリアリティを重視し、各エンドの扱いを均等にするためである。各ヒロインの掘り下げが足りないのは、それよりむしろ各ヒロインをシナリオ上に同配置するかを重視した結果だろう。そう考えると本作はメタ箱庭構造をうまく使って各ヒロインやルートを箱庭のように配置し、一つの現実のような箱庭世界を作り上げて、考えさせるシナリオになっていたと言えるだろう。

萌美?誰それ?知らない。

星織ユメミライ レビュー

星織ユメミライ 81点
tone worksの新作「星織ユメミライ」のレビューをします。なお僕は透子ルートを最後まで読むことを諦めてしまったので、以下のレビューは他の5ルートをやっての感想となります。御了承下さい。

tone worksといえば前作で糞主人公と賛否両論シリアスを叩かれていたらしいブランドで、僕もあまり良い印象を持っていなかった。とりあえず体験版が良かったので買ってみたのだが、今作はユーザーの声を聞いた現代的なゲームになっている印象だ。具体的に言うと最近の萌えゲーは

不快な展開やキャラがいない
付き合った後のイチャラブをちゃんとやる
エロは多く濃くする

あたりを求められており、また実際にそういうゲームが増えている印象だが、今作では

不快どころか、重い展開すらほぼ無く、キャラはみんないい人
アフターシナリオを作品に含める
エロは一人10回で質も高い

と、まさに萌えゲーマーの理想のようなゲームになっている。まあユーザーの声にただ従えば良い作品ができるわけではないのだが。実際このゲームも退屈だのシナリオが無いだの叩かれていたりする。しかし僕の見解を言えば本作は素晴らしい作品である。もっとも確かに萌えゲーに「シナリオ」というよく分からないものを求める人には合わないゲームだろう。うまく言えないのだが、本作にこんな一節がある。

授業中、俺はノートを取りながら瀬川の方を何度も見ていた。
俺の席から見えるのは、斜め後ろからの横顔。
はっきりした表情は見えないけど、いつもより憂いがあるということだけは分かった。
その顔を見て…俺はモヤモヤする。
喉に小さな刺が刺さったような違和感。
この学校にきてから、瀬川とは良く一緒にいる。
いや、他の誰よりも瀬川と一緒にいる時間が一番長い。
そんな中で沢山の表情を見せて貰った。
笑顔もあったし、怒った顔もあった。
悩んだり拗ねたり、恥ずかしがったり…。
そして…今の落ち込んでいる、憂いのある表情。
主人公「……」
やばい…。
こんなこと考えちゃいけないだろうけど、あんな瀬川の表情さえ、可愛いと思ってしまう。
まだ知らないの瀬川のことを知れて、嬉しいと思ってしまう。
その理由は…?
主人公「…あぁ…、そっか」



僕は良い萌えゲーシナリオとは、ヒロインの色々な表情が見られるようなシナリオだと思っている。プレイヤーとして主人公と共に、ヒロインと一緒の時間を過ごしながらヒロインの様々な表情を見ていき、主人公と共にドキドキし、主人公が恋に落ち結ばれるのを見守る。(あるいはプレイヤー自身も一緒に恋に落ちる)。そして結ばれたあとはヒロインとイチャイチャしまくりながら、恋人としてのヒロインの新しい面を見る。そんなゲームが僕はやりたい。
まあ僕の嗜好はともかく、このゲームがそんな感じだということは引用したところからも分かっていたただけると思う。本作の大半のルートは学園祭(のようなもの)を成功させるためにヒロイン達と時間を過ごしていき、その中で恋に落ちて結ばれるといった感じのシナリオである。先程引用したのは瀬川夏希シナリオで、ヒロインと一緒に学園祭のための写真撮影に付き合っている内にヒロインの色々な表情を見ていき、最後にヒロインの憂いのある表情(笑)を見て自身の恋心を自覚するといった仕掛けになっているわけだ。なかなか説得力のあるシナリオだと思う。とはいえこの恋愛物語はけっこうありきたりではある。また成長物語とかテーマといったいわゆる「シナリオ」要素も薄い。そういうものよりもヒロインと一緒に過ごす時間を大事にしているのだろう。多分。
まあ僕も斬新な恋愛物語は見たいし、成長物語も感動も好きではある。このゲームは「学園祭の準備」というネタが多くのルートで共通している上に、シナリオにもキャラもどこかで見た感があり新鮮味が足りないと思う。そこは減点要素だ。(一応テーマ的な要素も無いではないタイトルにある「ユメ」がそうで、各ヒロインはそれぞれ自分の夢を見つけるのだが、これも共通のモチーフ以上のものになっていない印象だ。)
結局本作で語られるのは驚くほど平凡な恋愛物語であり、そうであるならば何故僕がこのゲームに高評価をつけるのか、あなたも疑問を持たれるだろうと思う。本作のシナリオは、確かに起伏も無いし、シナリオ的な面白みも少ない。しかし、シナリオのボリュームを生かして主人公とヒロインの恋愛をじっくりと描き、かつその恋人感や幸せを十分に表現している。萌えゲーをやっていると、一人のヒロインをもっと見ていたいと思うような経験が多いが、本作では付き合った後のシナリオも十分確保している上にアフター編まで付いてくるのだ。アフター編は仕事に焦点を当てすぎていて出来が悪いように見えるシナリオも多く、また物語的には蛇足であるかもしれないのだが、どのルートも同棲やら結婚やらの生活を通して主人公とヒロインの幸せを存分に描き出していた。
また、恋愛幸せシナリオとしての質も、ルート間で差はあるものの、萌えゲーとして高いものであったと言えるだろう。具体的には以下の個別感想を見て頂きたい。


くらげ先輩
微妙。悪くは無いがキャラの掘り下げが足りない気がする。恋愛感も伝わってこない。アフターはエロは良い。

夏希
先ほども紹介したが、良い恋愛感とテンプレ気味ながら高い完成度。アフターは唯一の結婚後から始まるシナリオで、そのイチャラブ感は随一。

律佳
このシナリオだけは、わりとシリアス要素がちゃんとあったりする。そして僕が本作で最も好きなシナリオでもある。
このシナリオをプレイしている時僕は何故か序盤から最後までニヤニヤが止まらなかった。全く素晴らしいシナリオではないか。最初はいつも不機嫌そうにしている律佳が主人公と過ごす内に少しずつ笑顔を見せていく、それだけのことで僕もニヤニヤしてしまう。律佳はいつも主人公に対して辛辣なことを言うが、Mな僕にはご褒美……じゃなくて、それは正直な性格だということだけであり、何だかんだで優しさも見せてくれる。序盤に律佳が歌を教えてくれるシーンがあり、そこでの律佳は特にデレるわけでもないのだが、そんなシーンでも何故か僕はニヤニヤしてしまう。歌を教えている時の律佳が楽しそうなのが伝わってくるからだ。デレる前ですらニヤニヤしているのに、デレた後は……。恋人になった後の恋愛描写も素晴らしい。例えばキスにしろエッチにしろそれまでのタメがある。ただ盛り上がってHするわけではない。まずそれまでにキスしまくるような関係になるまで進んでから、「あなたがいいわ」、「明日、俺の家に来ないか」となる。そして律佳が家に来てもすぐにHするわけでもなく、(しかし、主人公は律佳がシャワーを浴びてから来たことに気づく)映画をみたり、漫画よんだり、いい加減にしろーーーー。Hの後も「二人でいっぱい気持よくなれるようにねっ」って可愛すぎるでしょ。全体的にじっくりとした恋愛描写が楽しめ、付き合った後はバカップルイチャラブが楽しめる素晴らしいシナリオだ。
で、シリアス要素だけどこれも良い。最初は一人だった律佳が最後には沢山の人に囲まれているシナリオであり、それだけでも十分に感動することができるだろう。
技巧的にも最も優れたシナリオで、説明しすぎない、想像力を喚起させるテキスト、程よく情緒的な情景描写、絶妙な伏線等、これを書いたライターはまさに萌えゲーの達人であると思う。僕はVAにこれ程のライターがいることに驚いた。
ただしアフターには期待しないほうがいいだろう。あれは展開が駆け足でダイジェストに近い。全くダメというわけではないが……。

真里花
本作は全体的に新鮮味が足りないと書いたが、このルートに関しては、僕はこういうシナリオは初めて見た。
以下ややネタバレ気味なので、イヤな人はこの項を飛ばして頂きたい。
真里花は再会型幼馴染で、昔は喘息で体が弱かった。主人公は休みがちで家に一人でいる真里花のところにいつも遊びに行っていた過去がある。しかし再会した真里花の喘息は既に直っていた。共通ルートで主人公は過去の自身と同じように、一人で寂しそうなそらやくらげ先輩を助けようとする。真里花はそんな主人公を見て、今度は自分が主人公を助けたいと思う。個別ルートでは真里花が主人公を色々手伝うんだけど、主人公はのつい過去の記憶から真里花を過保護に扱ってしまう。
まああらすじはこんなところだろうか。要は再会型らしく主人公の真里花像と実際の真里花にはズレがあるわけだ。ここらへんの主人公の真里花に対する鈍感さはなかなか凄い。ところがそんな鈍感な主人公もとある出来事をきっかけに真里花の本当の姿に気づき、異性としての真里花に惹かれていく。まあこれもなかなか説得力のあるプロットだと思う。
そんなわけで、このシナリオにも、シリアスやらサスペンスやら成長物語やら葛藤やらはない。何故ならこのシナリオはそれらが起こった「後」の話だからだ。真里花の喘息が再発するようなクソシリアスは無いし、あったとしてもまた克服して見せると真里花自身が言っている。今の真里花は過去の弱い少女ではなく、家族に愛されて育った強くてまっすぐな少女であり、そんな強さがとても魅力的に映る。このシナリオはそんなシリアスの「後」で真里花と一緒に幸せになる物語である。アフターも一番長く、真里花との同棲から結婚生活までを語っていく。そこに溢れる幸せ感をひたすら感じながら、ちょっと反則じみた感動シーンもある名シナリオである。

そら
あー、そらね……。うん、このシナリオは一番期待してたんだけど……。好きではある。そらとの恋愛をひたすらじっくり描き続けているのは他ルートと同じ。ただ、夏希のイチャラブアフター、律佳の超絶ニヤニヤ、真里花の幼馴染力といったような独自の長所が無いのでどうしても見劣りしてしまう。またアフターの出来も悪い。

その他総評
全体的に恋人感がうまく出るように力を入れていた。低評価気味のシナリオも起伏は無いものの飽きずに読めた。真里花と夏希以外のアフターはもう少し
頑張ってほしかった。

エロ
エロに関しては、本作の最大の魅力の一つかもしれない。Hシーンは一人約10個と量が多く、質も高い。絵が上手いのはサンプルを見て頂ければ分かるだろう。シチュは本番が多く、奉仕系が少ないのはやや残念。みんな最初か2番めのシーンから卑語を言い始める。(律佳は半分くらいまで言わない)更にヒロインは皆エッチであり、自分から求めてきたり、匂いで発情したりする。尺も長く、シナリオの出来と相まってとても抜ける。
ただし最初の3,4シーンはコンドームありでHする。しかしその後は安全日とかいって生でHする。バカじゃないの。製作者は、エロゲヒロインは中出しされても自分で妊娠するかどうか自由に決められることを知らなかったのだろうか。次回作があるならコンドームは選択式にして下さい。

その他
CGは一人あたり約20枚×6人。修正パッチあり。
律佳>>>真里花>夏希>そら>>>>>先輩
の順で好き。